タグ:1993年
某少女物語 | 本崎 遥
窓に目をやると、既に木枯らしの吹く季節になっていた。葉子が彼氏を作ると心に決めたのが年の初めである。もう十一ヵ月も経ってしまっていた。 葉子はひとつ溜め息をつき、英文が書き散らしてある黒板に目を戻した。 (さらに…)…
詳細を見る子猫のようにつぶやいて | 本崎 遥
前回までのあらすじ 平和な日々をだらだら無駄に送っていた天羽均は、ある日頭に浮かんだ『黒は白を好む』という言葉に傾倒し、親戚その他の反対を押し切って新興宗教『黒い蟻さんは白い砂糖が好きなのね』教を設立する。 (さらに…)…
詳細を見るあまがえる | 本崎 遥
僕は八時二十五分に目を覚ました。学校の授業開始時刻は九時三十分で、バイクで行けば四十分、自動車で行けば五十分かかるから、八時四十分にはとりあえず準備を終わらせなければならない。しかし、いつも家を出るのが遅れてしまい、一時限目には遅刻続きで…
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