Parade Paranoia

　最近、私の妻が老いている。　私が妻を一生の伴侶として二十数年、来年は銀婚式だった。今、妻は縁側から庭に咲いている椿を見ている。その顔には昔と変わらない微笑が浮かんでいるが、その二つの目は本当に椿を見ているのだろうか。 (さらに&hel…

　　　一夜　少年　少年は、いつまで立っているのだろうか。この愛のない廃墟の中で、ただ通り過ぎるだけの人波の中で。何を求めているのかも知らず、何処にいるのかも知らず、いつまでも立ち尽くすだけなのだろうか。 (さらに…)…

　涙は夢を、血は憧れを今に目覚めた子供が唄う　友達捨てて、赤子を殺し (さらに…)…

笑いと狂いはパラレルに、涙と狂いはスパイラル僕はノイズに浸されて、１つの言葉も口にはできず受容できないその事実と結末を、笑い飛ばして涙に暮れた。 (さらに…)…

泣きました、いつまでも変わらぬ想い、朱すぎる月とめどなく、あふれゆく (さらに…)…

どの面下げて人前に、偽り続ける怠惰な人よ見せたくないのは表か裏か、次なる嘘で解るでしょう恋人さえも偽って、厭になるのは自身だけ (さらに…)…

朝焼けの中で蛍は寝静まり生のほとばしりに、存在の意味を知る昨日までの憂鬱は朝日の中で溶けてゆき (さらに…)…

　ジャコウ猫の汽車に乗り、極彩色の旅に出る　　思い出より多い涙と　　　　涙より多くのフェイクを握り締めて (さらに…)…

小さかった頃に、いつも感じていたあの頃の淋しさを覚えていますか有りったけの微笑を浮かべ (さらに…)…

Ⅰ　亜衣子さんが白いカップをその清らかな指で持ち、口へと持っていかれた。綺麗な唇に縁を当て、紅い液体を少し口に含まれると、カップを口から離し、静かに飲み込まれる。私の視線は、液体に濡れ、店内の薄い光を反射している彼女の下唇に注がれていた…

　　嘘つきの森の中で、貴方と共に踊りたい大嘘つきの樅ノ木と、話をしながら同化する (さらに…)…

　帰りたい…安らぎの中へ…　帰りたい…温かい暗闇へ… (さらに…)…

キミガイテ、ボクガイタソノムネノナカデ、ボクヲネカセテトキガスギ、ナイテイタ (さらに…)…

踏み込んだ錯乱の中、覗き見た奇妙な世界苛立ちにも似た卑猥の歌い手、泣きわめく子供達原色のキラメキの中、現実の戸惑いか手招き続ける (さらに…)…

鏡を前に我は言う　『おまえは誰？　美しき人』そして鏡は応えて言った (さらに…)…

　　胸に抱かれ、鼓動を聴いて新しい夜が明ける　　一つのこと、思い描いて (さらに…)…

あやしく泣いた君の横顔　涙しない僕の全てが、ひどく口惜しく肩ほどの背丈しかない君 (さらに…)…

　僕が見ていた黒い瞳　　冷たく閉じて光を遮る　いつか感じたやわらかな唇 (さらに…)…

　夜が泣いていた朝霧に紛れ、総てが変わってゆくと　月が泣いていた (さらに…)…

　いつからか 感じていた音　　圧倒的な至福の響き　どこからか 聞こえてくる音 (さらに…)…