Parade Paranoia

　桜の花が咲くころに、私は思い出すだろう。あの人の記憶を…。　あの時、私は会社の休みを利用して、病気で入院している母のところに久しぶりに見舞いに行った。私の勤務先が実家とはかなり離れていたので、そう度々見舞えはしなかったのだ。あの時…

七時三十分　ピッピッピッピッピッピッピッ…　目覚し時計の音が聞こえる。「起きてください」と、妻の声もする。　　　ハァ (さらに…)…

　　ある少年の告白　僕は笑えない。お母さんが怒るから (さらに…)…

　　　　　（織総　択を前にして、一人の女が寝ている。）悪心　　　　　どうした、今がチャンスだ。　　　この女は俺がやっていい女なんだ。 (さらに…)…

　　嘘つきの森の中で、貴方と共に踊りたい大嘘つきの樅ノ木と、話をしながら同化する (さらに…)…

　帰りたい…安らぎの中へ…　帰りたい…温かい暗闇へ… (さらに…)…

キミガイテ、ボクガイタソノムネノナカデ、ボクヲネカセテトキガスギ、ナイテイタ (さらに…)…

踏み込んだ錯乱の中、覗き見た奇妙な世界苛立ちにも似た卑猥の歌い手、泣きわめく子供達原色のキラメキの中、現実の戸惑いか手招き続ける (さらに…)…

鏡を前に我は言う　『おまえは誰？　美しき人』そして鏡は応えて言った (さらに…)…

鮮やかなる夜の闇輝き出す銀の石　緑の球体が照らし出す清らかなる月の闇 (さらに…)…

心の中は　一面の銀世界激しい吹雪の中で　遭難する男女瞳の中に　雪が降り積もる (さらに…)…

満ちることない欲望は　いつまでも　僕を惑わす醜く歪んだ視界には　とまらない幻想の渦 (さらに…)…

僕を見ないで　優しさをもっているなら僕を笑わないで　平安が欲しいなら (さらに…)…

瞳を閉じて、わたしを見てごらん感性の中で蠢いている影があるだろうなかば腐乱したその影が、わたしなのだ (さらに…)…

飲み込まれそうな月の影僕の顔を照らしている十六夜あなたのように儚げで、狂っているのだ (さらに…)…

あなたの広げた手の中に、いつでも踊っている私がいた私は阿片に酔っている、中毒者のように狂っていた (さらに…)…

　　　私の中にきておくれ　　　　あなたの力、私の鼓動　　　夢見の中でとめられた (さらに…)…

ああ 貴方は闇の中　腕を広げる天使のように　光を帯びた球の中　総てを狂わせていたさあ 夢を見させてくれ　鼓動を聴かせる母のように (さらに…)…

僕等はいつでも　貴方を見ていたたとえ　貴方が見ていなくとも　僕等の瞳には映っていた (さらに…)…

　夢を見た　　　生々しく途切れる息　とまりそうに　　脅えている弱い心　いまも沈む (さらに…)…