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カテゴリー:織総 択

私達の運命を決めるのは、他の誰でもなく、きっと私達自身でしょう | 織総 択

Ⅰ 亜衣子さんが白いカップをその清らかな指で持ち、口へと持っていかれた。綺麗な唇に縁を当て、紅い液体を少し口に含まれると、カップを口から離し、静かに飲み込まれる。私の視線は、液体に濡れ、店内の薄い光を反射している彼女の下唇に注がれていた…

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さよならを言うまえに | 織総 択

 おい、人殺しの子、こっち向けよ、何だよそのかおは? 文句あんのかよ? あれ? 犯罪者の子供って学校に来てよかったっけ? 顔を醜く歪ませた中学生くらいの男が僕のほうを向いてばかにするような口調で言っている。次第に同じような笑っている顔が…

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さくら | 織総 択

 桜の花が咲くころに、私は思い出すだろう。あの人の記憶を…。 あの時、私は会社の休みを利用して、病気で入院している母のところに久しぶりに見舞いに行った。私の勤務先が実家とはかなり離れていたので、そう度々見舞えはしなかったのだ。あの時…

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ためいき | 織総 択

七時三十分 ピッピッピッピッピッピッピッ… 目覚し時計の音が聞こえる。「起きてください」と、妻の声もする。   ハァ (さらに…)…

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