Flower Garden | 本崎 遥
朝焼けの中で蛍は寝静まり
生のほとばしりに、存在の意味を知る
昨日までの憂鬱は朝日の中で溶けてゆき
束の間だけの存在を、受け入れようと考えた
水面に浮かぶ季節の足跡
流れに任せ、歴史を超える
夕陽に映える紫の白
風に吹かれ、待ち侘びてみた
受け継いだもの、大事に思えば
時計仕掛けに動き出す
咲き誇る花々、ただ、過去だけに生きれば
覚めきらない日の中で朝顔を見つけた
ひとときの夜露に濡れ、朝日を浴びて
この季節が終われば枯れ果ててしまう
最後の願いを種子にして、残してみようと試みた
夜空に浮かぶ月の裏側
まぶたに透かし、見てみたい
右手で触れた紅色の花
日差しを受けて、輝いていた
今よりほかに、時を逃せば
二度と幕は上がらない
咲き乱れる花々、ただ、今だけに生きて…