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青白色 | 天羽 均

踏み込んだ錯乱の中、覗き見た奇妙な世界
苛立ちにも似た卑猥の歌い手、泣きわめく子供達
原色のキラメキの中、現実の戸惑いか手招き続ける
触れてはならない調べの秘密、震えている恋人達

 ベロアのように、そっと接吻けて
  青白色の恐怖に脅え、きつく抱き締めて
淋しく響く、新しい子守歌が聞こえている

酷く冷たい日常の中、垣間見た正気の裏側
躊躇いにも似た陰間の道化、歩き始める嬰児達
灰色のトキメキの中、良質のストレスが姿を成した
背負ってはいけない運命の虚偽、永久に眠る乙女達

 賛美のように、そっとうそぶいて
  青白色の愛撫に酔って、きつくあしらって
あやしく叫ぶ、歌姫の悲哀の涙が落ちてゆく

コマドリの囁き
 今宵、狂体のロマンス
  奇麗な双子、エロスとアガペー
 今宵、慊焉のランデブー

青白色の過保護の下、睨まえた悪徳の上澄み
孕ませられた虚誕の処女、仰ぎ尊ぶ信者達

モノマニアの憂鬱
 今宵、狂瀾のカーニバル
  奇縁の双子、ロゴスとパトス
 今夜、淫猥なバーレスク

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