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遐域 | 天羽 均

 帰りたい…安らぎの中へ…
 帰りたい…温かい暗闇へ…

光が僕を蔑んで
  涙を流せと言っている
風が体を殴りつけ
  笑っていろと責め立てる

 眠りたい…音が聞こえる場所で…
 眠りたい…狭すぎる液体のゆりかごで…

唇が僕を包んで
  空しさだけを与えている
指先が心を暖めて
  侘しさを育て続ける

 逝きたい…仄かに見えてるあの丘で…
 逝きたい…暖かいはずのあの場所へ…

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