Japanese Literatures Site

昏色 | 天羽 均

僕等はいつでも 貴方を見ていた
たとえ 貴方が見ていなくとも 僕等の瞳には映っていた

欲しいものは手に入る そんなところに貴方はいた
貴方が欲していなくとも 僕等の心は欲しがった

  そう 求めていたのは 太陽だった
   僕さえも 君さえも 欲しかったのは偉大な力
  無欲に見える草達も 太陽にだけは手を伸ばす
   樹木さえ 地球さえ 受け取ったのは破壊の力

 光を感じていた あたたかな大気の中で
 痛さを感じていた 降り注ぐ粒子の中で
 ああ 心地よい波動 さあ 溶かしてくれ
 そう 何もかもが消える ああ 貴方は眩しすぎて

 危険を感じていた 突き刺さる視線の中で
 涙を感じていた 消えてゆく心の中で
 ああ つまらぬ夢想 さあ 滅してくれ
 そう 貴方には見えない ああ 僕等は小さすぎて

  太陽 貴方は無償の保護者
   夜さえも 月さえも あたえられた麗美の力

さあ 涙を消してくれ 苦難にあった人々から
そう 心を解放してくれ 自ら狂った人々から

 ああ 僕等は欲しい 偉大な力

関連記事

コメントは利用できません。