恋人 -新生- | 天羽 均
鮮やかなる夜の闇
輝き出す銀の石 緑の球体が照らし出す
清らかなる月の闇
湿り始める金の星 赤い眼球が光り出す
弓を引く人間のように 今 この時を覆い隠そう
涙に濡れた魔人のように 光の中へと隠れよう
勇気をみせた苛立ちは 涙の中へ沈みこみ
新しい生命の苛立ちは 佯狂でさえも解らない
誰かが夢で死んでいた
滅び逝く瞳の奥 黒い炎が皮膚を焼く
君が愛を笑っていた
崩れ去る作られた顔 思い出だけが死を望む
とまらないで 卑怯なほど白に見える人だから
仕様が無いさ 怖いくらいに涼やかに…
奇妙なほどの安らぎの中で 君の唇が何かを求める
匂いだす硝煙の中で 艶やかな時を刻み始めよう
陽気に満ちたトキメキは 奇麗なままで消えて逝き
新しい生命の求愛は 母の耳には届かない
殺しあうほど恋しい人 光と共に月の優しさ
見つめ合うほど妖しい人 光と共に紫球の破壊