恋人 -恋人- | 天羽 均
僕が見ていた黒い瞳
冷たく閉じて光を遮る
いつか感じたやわらかな唇
優しくふれて灯りを消した
五千の命が落ちてゆく、事実を知って頷いてみた
一つの命が激しく散った、狂気をもって僕は迎える
ああ、僕らは恋人
貴方がそれを教えてくれた
そう、僕らは恋人
僕が知った不思議な出来事
貴方が消えて光も消えた
いつか感じた不快な思考
あわててとめて苛立ち続ける
五百の友が去ってゆく、現実だねと静かに言った
一つの愛が歩みをやめた、殺してくれと独りつぶやく
どうして貴方は鼓動をとめた
心が独り、僕は凍える
一つのために五億を捧げる
命が独り、貴方はいない
ああ、僕らは恋人
いつの時代も少年の思い出
そう、僕らは恋人
貴方が逝って僕は気付いた
そう、僕らは恋人
いつの時代も僕らは恋人