さくら | 天羽 均
永久の眠りについた顔は、いつまでも微笑んでいた
何も怖くないだろう? 既に消えているのなら
いつかは散り逝くものだから、とても奇麗なこの時に
生まれたときから決まっていた、やさしさの分だけはやく
待っていておくれよ
そのうち僕もいけるから
心を亡くした不遇の瞳は、闇の中をみつめていた
ずっと知っていたのだろう? 総て消えてしまうことも
もろく儚いものだから、最も愛しいその時に
記憶の底にしまっていよう、つらさの分だけ深く
さよならは言わない
ただひとときのお別れだから
桜の花が咲くころに、僕らはふたたび巡り合う